梨作りの一年
1月
土づくり、肥料まき
梨の生産に休みはありません。寒い冬の時期から次のなし作りはもう始まっています。 収穫が終わると、一年間頑張った樹の根元の土に肥料を与えて、樹を元気にします。(お礼肥え)
当園では剪定した枝を粉砕機で細かくしたものを堆肥と混ぜ、肥料として使っています。
1月
2月
枝の剪定、改植
土づくりと平行して、枝の剪定を行います。 剪定、捻枝の作業は、樹や枝を見る目が必要で、相当な経験と技術を必要とします。 この作業が来年、再来年の梨を決めることになりますので、真剣に集中して行います。 同時に古い木を抜いて新しい木に植え替える改植も行います。 梨の木の寿命は品種によっても違いがあります。
2月
枝の殺菌・誘引作業
太い枝の剪定後は、切り口からの病気や乾燥を防ぐため、切り口に殺菌剤を塗り保護します。 ハケを使って1か所ずつ丁寧に作業していきます。 また、上へ上へ伸びていく枝を紐を使って棚に固定する「誘引作業」を行います。 棚に固定する事で強風などでも落果を防止する効果があります。 斜め45度に固定すると花芽が付きやすくなります。
3月
摘蕾(てきらい)
少し暖かくなると蕾の剪定時期。蕾の段階で不要な花を除き、不要な養分消費を防ぎ、果実や花を大きくします。
4月
受粉(人工授粉)
梨の花が咲いたら一気に受粉を行います。梨は自家不親和性の性質があり、同じ種類の梨同士の花粉では上手く受粉できません。 また5つの柱頭すべてに受粉しないと梨の形がいびつになってしまうので人の手で受粉の手助けをします。
4月
自家製花粉作り
釜井果樹園では受粉作業と並行して、受粉に使う花粉を自家精製しています。花から葯を取り出し、開葯機にかけて花粉を取り出し精製する大変な作業です。 詳しい手順はブログをご覧ください
5月
霜対策
この時期一番気を使うのは霜対策。花が霜でやられてしまうと梨が実りません。宇都宮はこの時期、朝晩はまだ寒い日もたくさん。 そんな日は夜通し固形燃料を燃やし徹夜作業になることも。気候が不安定なこの時期は、雹対策や強風対策もします。
5月
摘果(てきか)
摘果作業は、枝にたくさんついた実を取って数を減らすことで木の負担も減らし養分の分散を防ぐために行います。この作業を行うことで、収穫する予定の実が大きく育つようになります。通常1つの花芽には 4~5個ぐらいの果実がつきますが、 果形が整っている果実を残して、あとはすべて取ってしまいます。
6月
新梢管理
摘芯(ピンチ)は場所によって実のなり方が薄い所の枝を切り落としてしまう作業、誘引(ゆういん)作業は枝を斜めに引っ張り、棚に固定する作業。斜めに引っ張ることで花芽が付きやすくなります。摘芯や誘引作業等をまとめて「新梢管理」といいます。
7月
2回目の摘果作業
満開から60日ぐらい経った頃、2回目の摘果作業を行います。1回目の摘果作業は、収穫予定の実を大きく育てるために行いますが、2回目の摘果作業は、玉の大きさを揃えることと、 受粉がうまくいかなかった形の悪い実を整理するために行います。
8月
幸水の収穫
夏のお日様をたっぷり浴びて大きく実った梨の実。8月上旬頃から「幸水」が収穫が始まります。お盆時期に出荷されるため需要も多く、大変人気の品種です。
当園では8月10日前後から販売開始されます。お盆、御中元などの贈答に人気です。暑いこの時期に冷たく冷やして食べる梨は最高です!
日持ちは1週間以内です。
9月
豊水の収穫
収穫が最盛期を迎え、梨の一番美味しい秋がやってきました! 一年間の様々な苦労も、お客様の「美味しい!」「楽しみにしていたよ!」の声で報われます。
10月
あきづき・南水収穫
「豊水」「あきづき」「南水」「新高」等、次々に収穫時期がやってきますので、嬉しい梨の食べ比べもできますよ。 毎日、朝早くから新鮮なもぎたての梨をお客様へお届けします。
10月
にっこり収穫
品種毎の開花順は「にっこり」→「新高」→「豊水」→「幸水」の順ですが、収穫は「幸水」→「豊水」→「新高」→「にっこり」の順に収穫されます。 遅く花の咲いた品種が先に収穫できるのです。「幸水」などは早生品種といい、反対に開花が早くても収穫が遅い「にっこり」などは晩生種といいます。 新高やにっこりが大きな果実になるのは、開花から収穫までの生育期間が長いからなんです。